双子を含む5人の子育て中、オトンです。子どもは5人いたら、5人違う。
これは当り前のことなのですが、どうやったか4人とも同じ結果をだした親がいらっしゃいます。今日はそんな方、佐藤ママの子育ての話です。
東大理Ⅲの3兄弟を育てた母の秀才の育て方(2014/12/31) 佐藤亮子 著

この本のコンセプトが冒頭に書いてあるのですが、
すべての子どもに当てはまる勉強論がある、勉強はしかるべき方法をとれば必ず結果がでる。間違ったやり方になり、結果がでず勉強嫌いにならないように親が勉強のやり方を示してあげればいい。そのやり方、考え方、導き方をまとめたのがこの本。
正直、佐藤ママに関しては賛否両論いろいろあると思います。炎上しすぎて、息子さんがFacebookにコメントを残したとか。
ただ、5人の子どもをもつ父としては、それぞれ性格なども異なる子どもをどのように同じ結果をだすように導いたのかは興味がありました。

それも、兄弟で東大、というのはそこまで珍しい話ではなさそう、東大を探せば結構いるのではないかと思うのですが、兄弟で東大理Ⅲとなればまた別の世界と思います。それは母ちゃんが有名になるわ、と思わざるをえません。
今回はそんな佐藤ママが書いた本の内容となります。
以下、自分のアウトプットを兼ねて本の内容となります。ネタバレ注意です。
※オトンのブログなので本では【お母さん】のところを一部、【親】に変更しています。
佐藤ママ流<生活編>
子どもたちの学校の準備はすべて親の仕事

当然全部する必要はない、自分でやりたがったらどんどんさせるでいい。
ただ、忘れ物をして学校で先生に怒られ、自宅でもしっかりしろと言われる。
・これは子どもの自己肯定感はどうなのか?
・自立を求めて、子供に責任を押し付けてないか?
子どもと一緒にやることで、こうやってすればいいと気づき、忘れ物もなくて済む。だから、学校の準備も親の仕事。
・何を持って自立とするか?
いつかは必ず自分でするようになる。気持ちよく親元にいてもらいましょう
そして子供はとにかくほめる。すごい!だけではダメとのことでしたが、ほめ方にあまり具体的な記載はありませんでした。
参考まで、モンテッソーリ教育を基盤とした本のほめ方についての記事をのせておきます。
【レビュー】モンテッソーリ教育に興味あるパパに<自分でできる子に育つ「ほめ方」「叱り方」>

佐藤ママの自立とは子供が誰かにたすけてほしいときにきちんと声をあげられるようになることとありますが、言っていることが深すぎてよくわかりませんでした。
ただ、学校の準備を全部はできません。手伝いはしますが。中途半端なためか、何か忘れると人のせいにしますし、物がなくなるのも人のせいにします。
どうしましょう?全部親がやるとそんなこともないのでしょうかね
叱るときは事前にシミュレーション

いつも少しだけ先取りしておいてシミュレーションしてから叱る。

アンガーマネージメントという点でも間違いなくそっちの方がいいです。例えがテストなんです。ま、テストなど前もって結果がわかっているときはいいですが。
しかし、テストの結果でそんな怒ります?
むしろ、多くの親は日常生活で瞬時に感情的に怒ってしますことに悩んでいるのでは。
ちょっとまってね、はNGワード
子どもたちがいる間は片付けよりも子供に顔を見せることのほうが大事。今、このときより大事なことはあるのか?
その他、NGワードとして『あとで』、『勉強しなさい』、『こんなこともできないの』、『お母さんは○○が得意だった』、『いつまで寝てるの!』があるようです。
子ども達の成長は早い。【ねえ、ママ】など言ってくれなくなる。子供は絶対に小さくならない、今が一番小さい!

佐藤ママは子どもたちが小さいとき、子ども達をほっておいて掃除をしたことをくいておりました。マジかー
ただ、子供は絶対に小さくならない、今が一番小さい!はその通りだと思います。気をつけます
家の時計は二十分はやく
慣れてくると、二十分引き算すすればいいとなるが、結局は視覚で認識した時間で動くようになる。
カレンダーは翌月のものを並べて使う。卓上ではなく大きい貼れるもの。来月の模試を頭で理解するのではなく、逆算して今何をすべきかを考える方が理解しやすい。
時間を意識するため、勉強も休憩もキッチンタイマーで。
時間にルーズだとすへてにおいてルーズになりがち、時間には限りがあることを小さい頃から教えた

この本から全般的にすごく時間を意識されていることは伝わります。ま、そうでないと現役で東大理Ⅲなど入れませんが(笑)
朝はニコニコ、絶対に怒らない

早く起きなさい、と言わないために靴下をはかせて、おこす。
お母さんが自分の気分にまかせて怒ったり、声を荒げることで、子どももカっとして登校中に赤信号を渡っていまうかもしれない
朝、怒りがあれば深呼吸をして感情を抑えて、笑顔を無理矢理つくる。そうやって気持ちを抑えているうちに、感情のコントロールができるようになっていった、と

怒り、叱る等の感情は子育てにおける大事なテーマの一つです。深呼吸もアンガーマネージメントでは利用されるものです。ま、言うのは簡単ですけどね。
靴下をはかせておこす、結果を出した人なので何を言ってもいいんですが…他にやっている人いらっしゃいますか??
おやつやカップラーメン、テレビやゲームは非日常

佐藤家では普段ポテトチップスやカップラーメンは一切食べさせない。
テスト前にカップラーメン。といったように親が子どもにとっての非日常を演出して、生活のなかにメリハリをつける。楽しくないイベントのなかに、楽しさをつくってあげる。
テレビやゲームも非日常。勉強を含め普段は1階で生活。テレビやゲームは2階に配置し非日常を演出。

今の時代で言うと、インターネットといかに上手く付き合うかになるでしょうか。
テーブルマナーを教えるのは親の仕事
東大、勉強がクローズアップされがちな佐藤ママですが、お箸の持ち方や食べ物の食べ方だけはうるさう言い続けたそうです。
その理由は
①周りに迷惑がかかるから、それを見た人を不快にさせる
②一朝一夕で身につかない
外に出しても恥ずかしくないよう最低限度のことを教えたい。どんだけ勉強ができても、当り前のことができなければ人間として魅力的ではない
おもちゃは我慢させない、制限しない
おもちゃで遊ぶ期間なんてしれているから。という理由。それも買うときは、ひとつをとりあって喧嘩にならないように必ず3人兄弟にたいして3つずつ買い揃えた。

我慢させない、とは?飽き性な子どもに気が済むまでおもちゃを買い与えると大変なことになりそうですが。長男と三男の年の差4歳みたいですが、それぞれの違う年齢に同じおもちゃというのは成長の段階として果たしていいのか?本当にほしいのか?
片付けはお母さんの仕事

知恵がつくと、本当は10個出して遊びたいけど、後片付けが面倒だから8個にしておこうと考えるようになる。それは子どもたちが全力で遊びに集中できていない。

これはモンテッソーリ教育的にもフローをつくる、という点で理にかなっているかもしれません。親の視点からは①疲れるし、面倒くさい ②片づけるのもお勉強の一つ、と考えがちですが。
お手伝いはさせない
これは他の育児書とは大きく方針が異なります。お手伝いをさせない理由は今しかできないことをやってほしいから。
お手伝いよりその分少しでも勉強をした方がいい。勉強は早ければ早いほどたくさん吸収できるから。
皆勤賞より成績が大事
1分でも3日間の徹夜でも結果が同じなら時間に優劣はない。人生の時間は限られているから効率よく結果をだすのが大事。
テレビなどの画面はなるべく見せない
「話についていけなくていじめられるのでは」との声があるが子ども達の話題は大人が思っている以上に豊富で芸能人を知らないくらいでいじめられることはない
非日常としてテレビを楽しむ。普段使わない2階にテレビをおいていた。ゲームも同様。そこで切り替えると。

確かに、いじめられはしないけど。同級生に【ダウンタウン】を知らない人がいたときにビックリした記憶はある。ま、東大理Ⅲに入ってしまえば、世間の流行などどうでもいいのかもしれませんが(笑)
習い事、技術はできるだけプロに教わる

特に水泳は習っている子と習っていない子の差が大きい種目なのでオススメ!技術の習得は早ければ早いほどいい。そして教えるのは我流ではなく、プロに。 指導者は大事
また、ゴールを決めてから習い事を始めるのも大事。やめ癖をつけないことも親のつとめ!
0か100で育てないと中途半端で諦める子どもになってしまう!?
子どもの習い事が続かないのは親が最初の選択を間違えているせいだと、反省しなければならない。
目的は?目標は?どうしてその教室なのか?、先生は?、習い事や塾を途中でやめない子どもに育てたいのであれば親がこういった下調べをする。やめなくていい環境をつくってあげることが大切
兄弟やよその子と絶対に比べない
最初のゴール設定が明確であれば、比較する心をぐっと抑えることができる。習い事は時間がかかる、よその子と比べて右往左往するような覚悟で始めてはいけない。ゴールを設定する
そして、親が他の子と比べる1番の弊害は成績がよくなると傲慢になる、他人を見下す可能性がある。
受験とは他人との競争に思われるが、自分との闘い!精一杯やって不合格なら他人を素直に認められる
習い事は親も一緒に始める

佐藤家では、ズズキメソッドに共感しバイオリンを習わせたようですが、その大事なところに【家では親が教える】がある。
親が一緒にやることで何が難しいのか、何ができないのかなど子どもの気持ちをより理解できる。親子が一緒になにかをする、という習慣がみにつく。

言っていることはわかりますが、さすがに。ひろつる家とバイオリンを習わすところは共通してますね。佐藤家エピソードに娘が小学校入学した際にお友達がみんなピアノを弾けた、とあります。すでに、普通の小学校ではないですよね…
18歳までの短い時間を全員で楽しむため、家族行事は全員参加
当日やることより、全員でお祝いすることを優先する。
塾や習い事と重なったら、1日、2日ずらしたり次の休日へ。なので受験生がいたら一緒に我慢する。孤独感をもたせないように気を付けること。
佐藤ママ流<勉強編>
生活の一部に勉強があるような動線をつくる

食事と勉強の動作に切れ目がないようにすることで食後の休憩をダラダラすることなく勉強に戻れる。孤独の勉強部屋に戻っても孤独だからマンガを読んだりゲームをしてしまう。
勉強をする、と気負うのではなく生活の一部であるように。
文房具は好みにあわせてけちらない。
道具は効率を左右する大事なものです。高ければいいのではなく子ども達にとって使いやすいものを見つける。
何よりも読み書き・そろばんから始める
この3つは始めるのに早すぎるということはない。言語能力が成長していない子どもは自分の欲求を表現できず、無駄なきで押し通そうとする。
絵本を与えて、あいうえお表をお風呂場にはって、読める・書けるではダメ!自分でできなければプロである公文式などを利用した方がいい。
早期の英語教育は必要ない

ネイティブレベルではなく、受験やビジネスで通用するくらいの耳なら、いつからでも作れる。よく言われる『英語脳』ではなく、まずは『日本語脳』を育てる。自分の考えを表現するボキャブラリーを増やす。
英語は早期がいいらしい、と漠然とゴール設定をせずに始めると、英語と触れあうことはできても、英語脳になることはなく無駄な時間を費やす。地球上で英語を話す人の中でネイティブはそれほど多くなく、ほとんどは勉強して習得した人です。
ネイティブレベルにしたいなら15歳までに英語だけが話される環境に置かれる必要がある。目標がそこではないならまずは算数、国語!

ここは本当に面白いところ。かの有名なひろつる氏とは、正反対…というか、いろいろな保育で分かれるところですね。
拡大コピーを利用

算数の難しい問題も拡大すると不思議なことに簡単にみえる。漢字の書き順が怪しいときも拡大すればごまかしがきかない。小さくちまちま書いていてもいいことは一つもない。ノートにもなるべく大きな字をかく。
算数はノートの作り方が大事でどんな問題でも一問につき1ページを使う。問題をノートに貼り付ける。その一冊を持ち歩けばテキストいらずで復習もできる。そして、小学生ならそのノートをつくるのは親の仕事。
集中力がない子には15分単位で科目をかえる

なるほどと思ったのですが、そのちょうど15分で終わる範囲のものを親が考えて準備する、というものでした。ほんの数ヶ月間やっているといつの間にか集中力がついていた、とのこと。

無理ですって
子どもの個性を活かして勉強させる
当り前ですが、子どもはそれぞれ違う。結果は同じというところに目が行きがちですが、なんと
佐藤家の子どもは3人とも、勉強した時期や内容、通った塾が違う

ここが佐藤ママのすごいところではある。子どもの個性をみながらオリジナルの方法で育てるべき、と
やってあげたすべてが結果をだすわけではない。無駄はたくさんあるのは当り前。効率を求めるために、無駄を積み重ねないといけない。
親にとって都合のいい『自立』は子どもの人生を邪魔します。母がテスト期間のスケジュールも管理します

この辺りになっていくると正直苦しい。受験に恋愛は不要、と発言し炎上しただけはあります。
各教科の勉強方法
あとは各教科の詳細な勉強方法でした。佐藤ママの子どもは灘に通学し、塾は鉄緑会という東大専門のところ。お母さんが提言していることではあるので、多少の影響があったかもしれませんが、1日の大半は本人たちが母とは別に、灘や鉄緑会で過ごした時間。
ということで流しました。興味がある方は是非、ご購入し内容をご確認ください。佐藤メソッド満載です。
まとめ
実は、1番最初に
親の努力次第で子どもの可能性は無限に広がる
と書かれています。
確かに、本の中で【親も抜くところは抜く、バランスを決めて無理をしないこと】、と書かれていますが、オトンからするとすでにバランス違いすぎてどこをどうしたら…て感じです。
完全に親への視点です。この忙しい時代に、このようなメッセージはストレスに感じられる方もいると思いますし、『そっか、親が頑張らないと』と感じる方もいると思います。
佐藤ママの方針は我が家では無理、合わないな、と感じた方は、【勉強、受験】にはあまり触れていませんが、忙しいママのために、とある七田式の本も参考にしてみてはどうでしょうか。とても優しいです。
【レビュー】忙しいママのための七田式「自分で学ぶ子」の育て方、を読む双子育児に忙しい父
子育てに関して正解はないと思いますし、佐藤ママの方法、結果が極端だからこそ話題になったわけです。
子育てママでは廣津留氏も有名かと思います。日本の詰め込み式受験勉強に批判的なスタンスな方です。ただ佐藤ママとの共通点もあり、それはそれでとても面白かったです。廣津留流子育てに関してはこちらも参照ください。
【廣津留流】世界のトップ1%に育てる親の習慣 vs父親の習慣<生活編>
最後に
・勉強以外のことはほぼ親がやり、勉強にいかに集中させるか
・早期英語教育は必要ない
・子ども達はみんな違うからそれを見極め、無駄になってもいいから色々試す
最後まで読んでいただきありがとうございます、それではご機嫌よう!
コメント